大切な、大好きだった義母が亡くなり、
そのへそくりを子供達と孫たちで分けた。
そんな大金でもなくて
ちょうど一回旅をすれば終わるくらいの。
それを使って私達夫婦は
自分たちでは叶わないような
豪華なホテルに泊まることにした。
そして決めたのが、赤坂のニューオータニ。
長男の結婚式の時には
椿山荘に泊まったのだが
部屋と式場と美容室の記憶しかない。
本当はお庭を散歩したり
ディナーやランチをしたり
ホテルの中を歩いてみたかった。
なので今回は、
ゆっくり滞在して
のんびりしたいと思って
広いお庭があるここに決めた。
夫の還暦祝いを兼ねて
義母への想いも大切にした旅。
たった一泊だけど。
コロナ禍だから、車にした。
宿泊者は無料で止められると聞いたので。
2時にチェックイン。
遅めのランチからの、『謎解きプラン』。
ホテルの中で楽しめるようにと
企画されたプランに乗っかって
庭園を歩いて謎を解く。
ここまでは簡単。
そのあと、夕方は少し時間が空いたので
夫は部屋でゆっくり過ごし
私は赤坂を1人で歩いてみた。
いつもは、目的があって歩く街並み。
ゆっくり歩くと
意外と自然が豊富なことに驚く。
ちょうど桜が満開。
風が吹くと
花びらがはらはら散っていく。
これからは桜を見ると
このことを思い出しそうだ。
ホテルの目の前のお堀には
ボート乗り場と釣り堀。
大学時代の千鳥ヶ淵とか市ヶ谷の釣り堀を思い出す。
日枝神社。
TBS。
のんびり、歩く。
写真を撮りながら。
今日のことを忘れたくなくて
スマホの中に留めたくて。
部屋に戻り、謎を解く…が、難しい。
一旦諦めてディナーへ。
2人でどこにするか結構たくさん話し合い
奮発して
久兵衛にした。
あの、桜を見る会の
ニューオータニのお寿司🍣
それが久兵衛だったかは知らないけれど
久兵衛のお寿司は
生涯忘れられないと思うほど
おいしかった。
ものすごく繊細な味で
とてもおいしいんだけど
主張しすぎてない。
絶妙なバランスのところに味が決まってる。
しかも量も、ピタリと『この量ね』
っていう感じ。
満腹、だけど、食べ過ぎではない。
長くお腹の中に留まってるのに
爽やかな感じ。
一流って、こういうことなのかな。
だとしたら私は
もっと一流のものを経験してみたい。
(安くておいしいものも、勿論好きだけど。)
たくさん食べて
たくさん呑んで
たくさん喋った。
夫の今の気持ちとか
おかあさんのたくさんのおもいでとか。
そういう時間も含めて
リッチな経験だったと思う。
そのあとは
少し外をお散歩。
赤坂の夜を夫婦で歩く。
部屋に戻ってのんびり。
謎解きは、第二ラウンド。
翌朝は曇天。でも雨じゃなくてよかった。
朝食のチケットをどこで使うか。
夫は和食派なので
多分本当はなだ万に行きたかったみたいだけど
コロナ禍の中この日だけ開くという
最上階のレストランへ。
眺めが最高。
迎賓館とか新国立競技場とか
赤坂離宮を見下ろせる。
普段はビュッフェだが
今はアラカルトの
アメリカン・ブレックファスト。
朝食の後は、朝のお散歩。
2人で日枝神社へ。
お参りをして気分が上がる。
もっと観光をしたかったが
赤坂って、あまり観光向きではなくて、
風も強かったので
早々にホテルに戻り
謎は解けないままチェックアウト…して
ホテル内のアーケード街で
軽いランチ。
こうして
夫の還暦祝&義母を思い出す旅は
終了。
ゆっくり、ゆっくり、
東京が遠ざかって
ベイブリッジが見えると
ああ、帰ってきちゃったな、と思う。
次に旅行に行けるのは
いつになるだろう。
どこへ行けるだろう。
今回は
蜜を避けて最優先に安全を考えて
行き先を決めたけど
いつになったら
何も考えずに
好きなところに行けるだろう。
その時が来たら
また2人で心が豊かになる旅がしたい。
今は
行ける日が来たらどこに行きたいかを
考える楽しみに浸ろう。
たくさん候補を考えて
楽しもうと思う。